ZERO 地面を感じる道具

地形をトレースする自転車。

この自転車は、車輪と骨組(フレーム)、そしてペダルのついただけの原始的な自転車である。
どこでも同じ力で走れる変速装置も、あらゆる凸凹を和らげてくれるサスペンションもない。
従って、この自転車は、進むために必要な力は地形によって変化し、地面の凹凸は乗る人へ伝搬する。
だが、これにより乗り手は初めて今走っている場所を知ることになる。
自転車に乗り、地面を感じる。ここに乗り手が新しい体験を見いだしてもらう事を私たちは目論む。
もちろん、ただ装備がないだけの自転車では、疲労しか生み出さぬ。
故に、私たちは地面を感じるという体験を楽しみに変えるため、乗り手と自転車が一体となることに努めた。

一体感の追求

それは、
ペダルを踏めば、前に出る。
自分の思い通りに、コントロールできる。
ということの追求である。それは、優れた刃物がただ切るという行為のみのために鍛えられるように
自転車が自転車たるの性能を磨き上げること。
そして、私たちがこれまでの様々なレース車両の開発において、
レースの厳しい状況下で常に求められてきたことを
日々の楽しみに活かすために、日常の街というフィールドで新たに考え直した。
これまでの設計手法にヒントを得つつも既成概念に囚われず、素材選びも一から見直した。
そしてロードレーサーでもMTB(マウンテンバイク)でもトラックバイクでもない、
UTB (Urban-Terrain-Bike)- 0 (ZERO)は生まれた。

自転車が走る道を制限しない

街というフィールドは、思った以上に多様である。
平坦な舗装路のみならず、予想以上のアップダウン、公園や河川敷のような未舗装部や石畳。
そんな街のあらゆる環境を歩行と同じように自由に行き来できればいい。
UTB-0の競技車譲りの一体感のみならず、その繊細なシルエットと裏腹のマウンテンバイクと同等の剛性は舗装路だけでなく、街の多様な地形を楽しむ上でまさに乗り手と一体となり、街を思うがままに走ることができる。

そして、私たちは街に乗る。

それは、サーファーがボードと一体となって波に乗るが如く、
この自転車と一体となり、地面の起伏を乗りこなすことを楽しみとする。
自分の力を損失する事なく地面へ伝搬し、思う方向へ身体が向かうようになり、乗ることそのものが楽しくなる。

UTB-0は、決して便利になる道具ではない。

だが、便利な道具を使うことによって鈍らせてしまった身体感覚を刺激し、これまで何気なく通ってきた道を再発見する。この自転車が目指したものは、特別な楽しみを生み出す事ではない。
むしろ、毎日当たり前のように過ごしている場所に楽しみを見つけるための触媒となる事を目指す。

どこかの目的地に到着するためではなく、時間を競うためではなく、
ただ、「自転車に乗って走る」ことが楽しくなれば、
人は、特別な場所や時間に囚われる事なく、日々を楽しむ術を得るのではないだろうか。
そのためにこの自転車は、乗り手の一部となってその存在を消し、地面を感じる楽しみを増幅させるのである。

  • GEISHA LOOKS

    本来ZEROの開発当初のトリック・バイクスタイル。サイクルサッカーのバイクのスケルトンをヒントに自由に操ることを目的にしたスタイル。ネーミングの由来は開発当初のネーミング"芸者"から取られた。

    ※写真は、私有地でのライディングイメージです。公道/公共地での乗車は前輪後輪ともブレーキ等の制動装置を装備の上、十分に安全に留意してお乗り下さい。

  • AGGRESIVE LOOKS

    Urban Terrain Bikeとして、街乗りを存分にたのしむ為のスタイル。舗装路だけでなく川岸等の未舗装路などの街でのあらゆる道を感じることの出来るUTBの原点ともなるスタイルでもある。

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