JIKUのコラム『まじめにモノづくり』の第二回を更新しました。今回は、京都を拠点に世界で活躍されているTEAMKIT(チームキットジャパン)を主宰されている加藤氏にスポットをあてた、「モノのアジ」というテーマ。加藤氏のブランド「KATO`」は、ジーンズに合う服づくりをされており、そこでは服を「道具」として開発されています。そこで重きを置かれているのが長く使ってもらうための工夫です。使い捨てではなく、使っていくうちに自分のものとなる「道具」となるために素材開発から行っておられます。今回、トップに掲載させてもらった写真は、加藤さん自身がはかれていたジーンズ。新品が良い時代に使い込んでこそその価値が分かる物づくりには感服するとともにビゴーレのモノづくりとしても共感します。

 

アトリエでの加藤氏。普段は温和な雰囲気の加藤氏も仕事の現場では一気に意識が集中するのが端からみていてもわかるほどでした。
使い込む事によって、モノが痛むのではなく、その「朽ち」様が「アジ」となるモノづくり。言葉で言うほどそう単純なものではないです。糸からそれらを作り出す織機にいたるまで意識し、すべての工程において管理していくTEAMKITの仕事は、表層だけのものではない真の「モノをデザイン」を実践されてました。

 

アトリエの方々に試験的に制作されたサンプルが所狭しと並んでいます。素材の質感だけでなく、その素材をいかに活かしたものができるかを日々検討されているのが加藤氏の説明を交えながら一点一点を見ていくとよく分かりました。そのいろいろな仕掛けは、決して目を引くだけの奇をてらったものではなく、派手さはなくとも着続けてもらうための作り手の実直さが見えてきます。かといって野暮ったい訳でもなく、とてもセンスよく見た目もまとまっています。
さら(新品)のときにはその違いは分かりづらいかもしれません。でも使っていくうちにその価値が見えてくる。愛着のわくモノづくり。使い捨てのこの時代に新品の状態での評価しか見えづらい中でなかなかこのようなモノづくり、またそのものづくりから生み出されるものに巡り会えないような気がします。

 

最後に加藤氏と片岡の2ショット。ジャンルは違えど二人ともモノづくりに対する思いの強さをその笑顔の瞳の奥に感じました。
いろいろなものが安く、すぐにできてしまう中で、人のためとなる少しでも良いモノづくりをお互いに進めていければと思います。

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加藤氏のブランド「KATO`」については、→こちらから。