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2015 09 30

突然ですが、新・山と旅の自転車です。

春から、これといった発信をしておりませんでしたが、
実はいろいろあったのです。

お店のバタバタした感じはいつもですが、新しく自分たちのラボ(工房)で塗装のテストができるよう設備を増設していました。新しくいろんなことが試せるようになったと喜んでいたのもつかの間、7月の大雨でラボは、またもや土砂にのまれ、全機械類が不能状態、水道まで止まってしまう始末。これからというときに前回以上の被害に片岡をはじめスタッフ一同は落胆しつつも、めげているわけにもいかず、日々の営業の合間に復旧作業を進めています。未だ復旧のめどが立っていませんが、めげずに一つ一つ片付けています。

 


7月の大雨の後、洪水直後のラボの前の通り。お隣さん(車が半分埋まっているところ)は、ここを手放すらしい。。

 


流れてきた丸太に塞がれ、もはや自分たちでなんとかできる範囲を超えてました。

 


なんとか道が復旧されても、次は、自分たちのラボに入った泥の掻き出し。最初の頃は終わりが見えず途方に暮れていました。

 

そんな中、進めていることがありました。
去年に発売を開始、この春に完売した「山と旅の自転車」。通称、山旅車。
段々と在庫がなくなり、サイズもなくなりだした頃から、お客さんに「もう、僕のサイズはないんですか?」と言われ、販売終了してからも、「山と旅の自転車がほしいんですが。」という問い合わせを多く頂いていました。
当初は一寸偏った自転車?とも思っていたので、試験的に販売し、生産分が終了したら終わりかなと思っていましたが、考えていた以上に好評いただき、せっかく欲しいと言ってもらっているのなら、その声にお応えせねばと、“秘密裏”に 次のモデル製作の可能性を探っていました。もちろん、同じものを作るのではなく、さらに進化させたものをと、欲張りな片岡とビゴーレスタッフ。それがいつも自分たちの負荷を高めてしまう原因でもあるのですが、せっかくなら、少しでも理想に近いものを作りたいという、自転車づくりの思いが勝ります。初代という基になるものがあるものの、あれやこれやで結構新しく開発するのと変わらぬ労力がかかりました。ラボの片付けもままならぬ限られた時間の中、ビゴーレのものづくりの思いに共感してくれた切削加工の職人さん、ライダー、また生産現場、店のスタッフ等々の多くの人の協力によってなんとか形になってきました。

 

 

で、突然ですが、「新・山と旅の自転車」の発表をします。
新しくなった山旅車。実は、まだ最終の詰めの段階です。ただ、今お知らせすることになったのは、この「新・山と旅の自転車」が本年度のグッドデザイン賞に選れることが決まったからなのです。
新・山旅車は、今年の春、山旅車が無くなった頃にビルダー片岡の頭にはイメージがありました。
ただ、まだ、つくるのかどうかを悩んでいたのも事実。でも販売終了した後も、「ほしい。。」という声が後を絶たず、つくることになりました。もちろん、つくるからにはさらなる向上を目指します。
今回、向上させるポイントは、大きく3つ。

 

1つめ。よりロードのような乗り心地を目指して。

 

 

これまでの山旅車もクロモリのマウンテンバイク、Basic FRの仕様をベースとしながらもロードに近い設計にし、格段に中速以上の走行性能を高めましたが、今回は、さらにパイプそのものの仕様を見直してロードバイクのような軽快さを求めました。そもそも競技用として開発したBasic FR、それと同等の剛性を持つ山旅車でしたが、山旅車にとってこの剛性は少々オーバースペックとも感じていました。それよりも、この自転車に求められること、走行性を向上させるべく山旅車の使われる環境を今一度想定しなおし、1/100のスケールでパイプの厚さをコントロールしフレームとしてのしなやかさが出るように心がけました。

 

 

2つめ。より「ちょうどいい」を目指して。

 

 

ビゴーレは自分たちの提供する全ての自転車は、できるだけ乗る人の身体に合ったものでと考えていますが、これまでの山旅車は、当初単発での開発であったということもあり2サイズしか展開できず、小さい人、大きい人には少々身体に合わせづらいところがありました。そこで、今回は、これまでのM、LにS、XLを追加した4サイズを展開予定です。

 


XLサイズのサンプル。サイズが変わるとそれぞれ印象が変わってきておもしろいです。

 

更に、ロードバイクとマウンテンバイクのいいとこ取りできるように、ロード用、マウンテンバイク用それぞれのコンポーネントパーツ(駆動系、制動系の組合せセット)を組み付けられるように取り付け部の汎用性をもたせましたが、元々規格の異なるジャンルのものをどちらも取付可という、半ば「よくやったなあ」感のあったものの、やはり取付可能部品に制約がありました。BAsic FRをベースに始まっているので、マウンテンバイク系は、だいたいの部品は取り付けられていましたが、ロードの部品は、2つのグレードしか取り付けられませんでした。なので、今回取付周りを再度見直し、ロードバイクも最上級のレースパーツ、DuraAceまでも取り付けられるように設計し直しました。

 


様々な部品が組み付けられるように、クランク – フレーム – タイヤが、それぞれ干渉しないよう、ミリ単位の調整が続きました。

 

ただ、あちらを立てればこちらが立たず。これは、今回の最難関でもありましたが、何度もつけては外し、確かめて、なんとか辿り着けました。これによって、いろんなパタンの山旅車をつくることが可能となり、より多くの要望に応えられるようになりました。

 

 

3つめ。さらに丁寧に。細やかに。

 
乗り手のそれぞれの旅のスタイルを満喫してもらうためにいろんな組み合わせを試してみました。

 

これまで競技車としての自転車づくりでしたので、純粋に「走る」ものの追求でした。よれゆえ、街用の自転車にはついているスタンド、泥除けなども軽量化や安全対策(競技中、転倒時の障害となる)のため、設計の段階ではつけることを想定しないものがほとんどでした。(もちろん、必要な場合は後付け用の部品によって対応しています。)山旅車もまだどことなくその競技志向の意識が設計段階で残っていたため、「走ること」を中心に開発がされ(最低限の荷台取付部はありましたが)、今回、「旅」に対して、より汎用性をもたせるために、荷台の取付位置を増やし、さらに泥除けも最初から取り付けられるように設計しました。一寸したことですが、これもいろんな干渉を考慮しなければならず、一筋縄ではいきませんが、少しでも乗り手の思いを尊重できるようにとがんばりました。

 


後ろの荷台の取り付け部。最初から取付を容易にかつ確実にできるように。一寸したことですが少しでも。

 

 

こうして、目下、最終調整中の「新・山と旅の自転車」。
実は、見た目は、ほぼ、これまでの「山と旅の自転車」と変わりません。これまでの良いところは十分に活かし、その上でさらにさせた結果です。いろんな状況と重なり、ぼくたちビゴーレ・スタッフにとっても思い入れの深い一台ができそうです。

 

このぼくたちの思いのこもった自転車「新・山と旅の自転車」。
思うところあって今年のグッドデザインにエントリーしたところ、ありがたいことに今年のグッドデザインに選ばれたのです。

 

完成車の細かい仕様等、まだまだ決まっていないことが山積みですが、年内の発売に向けてがんばっています。
もうすぐ、その全貌をお伝えできるかと思いますので、しばしお待ちください。

 

 

2015年度グッドデザイン賞のページは、こちら →

(2015/11/02 追記)
新・山と旅の自転車のページをつくりました。 詳細はこちらから→ 
http://vigore.co.jp/gooddesign/atb-tourer2/

 

 

 

 

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