先日、一枚の写真を持って彼女はやってきました。
その写真には、一台のビゴーレと高校時代の彼女が写っていました。 
日付は、88年10月9日。琵琶湖でのライディングの際に記念に撮ったものとのこと。
当時は、 休みになると自転車で出かけて、日によっては60Kmを超える距離を走っていたそうです。

それから約25年、彼女は再びビゴーレに乗るべくそのときの写真を片手に自宅のある滋賀の石山から京都本店のある京都の岩倉までの行程約25Kmをジョギングしてやってきました。

きっかけは、今乗っているアルミのロードバイク。大人になった彼女は結婚、出産、子育てと自転車からしばらく遠ざかっていたそうですが、子育ても一段落した後、また自転車に乗るためアルミ製のロードバイク 購入。スペックは申し分の無いものでしたが、何かが違ったようです。何が違うのかは分からないが、明らかにちがう。
そして、あのときの感覚を頼りにウエブサイトを彷徨い、再びビゴーレに出会います。しかも、画面には女性向けのロード。この運命的な出会いが、彼女の足を京都に向けることとなりました。

そして、お目当ての自転車とのご対面。片岡に連れられて目の前に現れたそのビゴーレは、まさに彼女の探していたものでした。

一品ものとして完成した状態のものでしたが、サイズは小柄な彼女にぴったりでした。ただ、ポジションの微調整が必要でしたので、まずはステムのサイズを交換し、彼女用にフィッティングします。

一寸したことなのですが、乗り馴れた彼女にとってはこのわずかばかりの差で感覚が変わってきます。

作業を終え、再び乗ってもらいます。

自分用に調整されたクロモリレーサーを一踏み一踏み、かみしめるようにたしかめる彼女。

こうして彼女は、ずっと乗っていてもいつまでも楽しく乗れていたあの時代の感覚を取り戻したようです。
今回のこのクロモリレーサー、スペックは先の一台と比べるとほぼ同じなのですが、彼女にとってはあのときの感覚を呼び覚ます、別のものでした。

最後に出会えた一台とはにかみながら記念撮影。
(ちなみに彼女は25年前の写真とほとんど変わってません。)

まずは乗ることを楽しんでもらうために自転車をつくってきましたが、こうして実際にその違いを感じ、再びビゴーレに乗りたいといってビゴーレに戻ってきてもらえたことは、私たちも素直に嬉しかったです。

それは、乗り比べなくては分からないかもしれません。でも、今回の彼女との出会いは、少しでも、形だけではない自転車の「乗る楽しみ」を感じてもらうため、がんばっていこうという思いがさらに深まる出来事となりました。

見た目はどれも一緒かもしれません。
でも、違う何かがビゴーレにはあります。

後日、しっかり調整のなされた一台のクロモリレーサーは、懐かしくも新しい彼女のパートナーとして、着物姿で迎えにきた彼女に引取られていきました。

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