四代目 フレームビルダー(見習い)の片岡有紀が連載している、「オールロード開発物語」、今回で第6話です。今回は試作から、さらに改良したものを製作へ。問題なければ製品になります。
まずは設計自体の改良。
大きなところで言うと、シートチューブの角度とフォークの長さ。
シートチューブは実際に試乗した時の様子をみて、小さいサイズなのでもう少しトップチューブを短くしたかったことや、ペダリングを考慮して変更することにしました。これまでビゴーレでのこれまでの制作で蓄積していたデータをもとに若干シート角度を立てることに(ここの詳細はノウハウに関わることなので企業秘密です)。
フォークについては、30cが入るピッタリの専用設計にしすぎていたと言うこともあるので、製品化を見据えて35cまで汎用的になるように変更します。
専用設計は一番無駄が削ぎ落とせるので、「機能的で美しい」を追求する私たちにとっては30cが入るビタビタの設計は結構好きではあるのですが、乗り方のシチュエーションが変化した場合にもある程度対応したい言う観点から、許容しうる範囲で〜35cまでの汎用性は持たせることにします。
▲当初の写真:30cのタイヤがクリアするギリギリのクリアランスで試作は作っていました。
図面上では一旦8mm程度フォーク長を伸ばしたのですが、実物を見るとなんとも引き締まりのない見た目になってしまったので、当初より2-3mm程度(35cが入を入れても問題ない範囲で)伸ばした長さにしました。図面を引いて、実際に作ってみて、また図面を修正して、が続きました。
また、溶接方法についてTig溶接とラグ溶接の両方を場所によって使い分けていたのですが、強度や製作方法の見直しと合わせて、その溶接方法も一部変更。
そうして出来上がった1台。今回はSHIMANO Di2のコンポを組み付ける予定なので、Di2用の加工もしています。
今、塗装に入っています。
▼まだ修正を加えると思いますがとりあえず650Bを使うXSサイズについて、決まっているところはこんな感じ
■サイズ(ジオメトリー)650B専用設計なのでXSサイズのみ
-シートチューブ長:450mm(ホイール径 650B専用設計)
-トップチューブ長:505mm
※それ以上のサイズ(S〜L等の700c専用設計)は随時リリース予定です
■ハイプスペック
KAISEI (8630R)、チェーンステーTANGE(CHAMPION)
■フォークスペック
エンド幅100mm 400R
■エンド:UDH
■12mmアクスル(フロント1.5mm リア1.0mm)/エンド幅 142mm
■4インチローター専用(※700cは6インチも兼用予定)
■ヘッドセット:1インチヘッド(ITA)/アヘッド
■BB:68mm(JIS) BB
■ホイール:650b専用(700cは今度)
■対応身長 150cm〜158cm程度
■シートピラー:27.2
■Fメカバンド:28.6mm
■タイヤ幅:推奨30c〜32c (対応:28〜35c)
■シフト種類:Di2 or メカニカル
■フレームカラー/ロゴカラー:オーダー
■ヘッドバッヂ仕様
■フェンダーダボ/ボトル台座:カスタマイズで追加可能
■ボトル台座:3ヶ所(カスタマイズ可能)
■発売時期/納期
XSサイズ(650B)は5月〜、それ以上のサイズは順次
※問い合わせは受け付けております。
■価格(予価)/完成車 フレーム+フォーク:40万円程度〜
次は塗装が上がったものをお見せできるかと。
4月中頃には組み上がったら試乗出来るので、ぜひ来店&試乗ください。
そろそろ暖かくなってきて、走り出したい季節になりましたね。続報をお楽しみに。