彼にとっては、3台目のビゴーレでした。
一台目は、京都に住んでいた時の足となって活躍したロードバイクのクロモリレーサー
二台目は、神奈川県は横浜市に引越し、その地に合うものをと選んだマウンテンバイクのベーシック・エフアール。
そして、今回、さらに活動範囲を広げるべく、山旅車をつくる為に現在お住まいの静岡市から京都までやってきました。

そして、出来上がったのが最初の写真のもの。

一見これまでの山旅車と変わらぬ面持ちですが、彼のこれまでの思い入れが随所に詰まっているんです。
まずは、フレームカラー。
このナイトグリーン(キャンディ小粒色)、幼稚園の時に買ってもらったはじめての自転車の色。
見たとたんグッときたようです。

そして、その思い出色のフレームに組み合わせたコンポ(駆動/制動部品)はイタリアのカンパニョーロ
これから永く、大切に乗っていくために、流行り廃りのない端正な佇まいの部品を探して、ここに辿り着きました。

 

部品の代表的な顔となるクランク、変速機も伝統的なスタイルです。

 

細かい所ですが、ホイールの軸となるハブ部。

 

ブレーキレバー周り。

最近は、シマノの部品を組付けることが多かったので、その素直な作業のしやすさが当たり前のようでしたが、
久しぶりにカンパニョーロを扱うとその勝手の違いに最初は少々戸惑いましたが、すぐに勘どころを取り戻しすいすいと作業を進めると共に、その部品精度の高さに改めて感心しました。
(今回のモデル(カンパニョーロ・アテナ)でも、ネジの閉まり具合一つ取り上げても、かっちり収まる感じはカンパニョーロのそれでした。)

山旅車のクロモリ鋼フレームの細身のシルエットと相まってどこかクラシカル、でも新しい雰囲気。
カンパニョーロのパーツでもなんら違和感無く収まっている感じに片岡もスタッフもすっかりご満悦です。

さら140年も歴史を持つイギリスのブルックス製のサドルに同じくブルックスのバッグ。もはや彼の溢れ出た思いは止まらないようです。

 

出来上がった自転車と彼。もう、何も語らずとも彼の顔を見ればよく分かりますよね。

 

納車の次の日に早速彼からのお便りがきました。

「昨日はありがとうございました。
ダブルレバー癖が抜けず、ついハンドルから手を離してしまいますが(笑)。
大した距離は乗っていないですが、感想として安定感がハンパないので、ダラダラ?乗っても違和感がない。
理由がわかりませんが、不思議と登りが楽。思ったほど、お尻も痛くないので、かなり距離が伸ばせそうです。
また、静岡でロングライドしたら、感想をお伝えします。」

新しい彼の旅が始まったようです。
彼からのつぎの素敵な便りをお待ちしています。
そうそう、彼のこれまでのビゴーレも元気に活躍しているそうです。
ちなみに、この前に乗っていたベーシック・エフアールはお父様の愛車になった模様です。

 

山旅車一台一台が 、オーナーの大切な想いを受けて組まれています。納車後も自転車と共にたのしんでいる声を届けてもらい、作り手冥利につきます。
これからも存分に山旅車との時間を楽しんでもらえればと思います。
ありがとうございました。

 

春に向けて山旅車購入を検討されている方にむけて、朗報です。
一般販売分は、サイズ・色確認のための確認用取置き分キャンセルが、S/Mサイズが1台、M/Lサイズが3台でてきました。また、各所に展示用として組んだ完成車やサンプルとして塗装したフレームが若干数残ってます。
展示用のものについては現在ウェブストアの一品ものコーナーで特別価格にて提供しています。 サイズ、好みがあるかもしれませんが、ビビッときたら、山旅車を手に入れる最後の機会です。(あのホリデースペシャルや山旅車の表紙を飾っているモデルもあります!)