増上寺での体験イベントを終えて

10月4日〜5日に、東京 港区芝・浄土宗大本山『増上寺』様にて、ビゴーレ体験イベントを実施させていただ来ました。おかげさまで、予想を超える多くの方にお越しいただき、無事に終了することができました。ご来場くださった皆さまに、心より御礼申し上げます。

 

今回は、その様子をご紹介させていただきます。

このイベントでは、展示で”見る”、トークで”知る”、試乗で”体験する”の3つを軸に、ビゴーレのモノづくりとその背景を感じていただけるようにと企画しました。

 

会場には、サイクリング車「山と旅の自転車プラス」やロードバイク「CrMo Racer」、
ハンドメイドラグ溶接ロード「70next」、そして新モデルのオールロード「Horizon -sen-」を展示・試乗車としてご用意しました。

展示車を含め15台の自転車を2tトラックに積み込み京都から東京へ行ったのですが、「積み切れるのか…?」とヒヤヒヤしながらの出発で、トラックへの積み込みも作業がなかなか終わらず24時ごろまでかかってしまいました…笑

 

 

試乗と展示 ”つくる”現場を感じて

 

試乗では、身長と好みに合わせたものをフィッティングをして、アップダウンのある増上寺周り約2kmのコースを走行いただきました。

 

 

展示コーナーでは、制作現場で使用する道具や工程写真を展示。普段目に触れやすい「完成品」だけでなく、”つくる過程”を少しでもお伝えできていたらと思っています。

 

 

↑パネル展示は自転車づくりの場面から

 

↑道具の展示:スチールフレームというと、伝統的な手法の印象を持たれがちですが、私たちは常に制作方法の改善を重ねています。新しい治具(ジグ)を導入したり、自作したり。そうした工夫が精度の更なる向上はもちろん、後世への継承に繋がっています。

 

書籍コーナーも設置。1980年代〜最近のものまで。最近取材いただきました「Bicycle Club 11月号」も展示させていただきました。(まだの方は是非ご覧くださいね)

 

トークイベント「永く使うということ-京都から考える自転車づくり-」

トークでは、三代目・片岡聖登、四代目見習い・片岡有紀、そしてウェブメディア『KYOTONOANO 』ひとり編集長関根理沙氏が登壇。


「永く使うためのものづくり」をテーマに、ビゴーレの思想や日々の取り組みをお話ししました。

(Instagramでライブ配信も行いましたが、縦横の設定を誤ってしまい…ご視聴くださった方には失礼いたしました)

 

※また改めて、ご紹介できたらと思いますが、『KYOTONOANO』では、京都のあの人、京都のあの場所など様々な京都を関根編集長の視点・感性で紹介されています。是非ご覧くださいね。(実は、ビゴーレユーザーでもありVIGORE for Wのモデルも努めていただいております)

 

私たちらしさととは何か

この度、東京でイベントを開催するにあたり、改めて「私たちらしさとは何か?」を考えていました。

 

トークでもお話しさせていただきましたがその答えの一つは、やはり”京都”という私たちにとってローカルな場所で培った感性を大切に、表現し、ものづくりを続けていくことだと思っています。

 

言葉すら変われど、この想いは1960年代にビゴーレというブランドを生み出した時から、ずっと受け継がれてきました。

 

二代目の片岡保は「イタリアンレーサーのコピーしたらあかん、上手くできひん。わしは五条の欄干のギボシを見ながらラグを削る」とか言っていたそうです。

 

私たちは、パリやニューヨーク、そしてイタリアで育ったわけではないので、パリらしい自転車をつくるとか、イタリアンレーサーをつくるといった、モノづくりは得意ではありません。やっぱりそれぞれの土地の人の方が得意だと思っています。

 

京都で生まれ育ち、この地で日々ものづくりに向き合っています。京都の空気感、光、景色の移ろいが私たちの感性を形作っています。この土地で自然体でものづくりを続けていくこと、これが”個性”となって唯一無二のなっていくと私たちは思っています。

 

イベントを通して

初日は小雨もあり、試乗時間を調整いただく場面もありましたが、みなさまの温かいご協力のもと、本当に良い空間を共に作ることができました。

 

2日目には、ご協力いただきビンテージカーも展示いただいたり、

 

1970年代のビゴーレをお持ちいただいた方もいらっしゃいました。1980年代に当時の新色のゴールドカラーに塗り替え、今も大切に乗り続けていただいております。長年にわたって愛着を持っていただいていることに大変嬉しく思います。

 

また、都内で写真撮影をくださったビゴーレオーナーさまも。いつも京都で撮影することが大半なので、東京の街中にあるビゴーレも新鮮ですね。

 

初めての県外イベントとして

 

今回のように、レース会場以外での試乗を含む県外イベントは初めての試みでした。多くの方々のご協力に支えられ、無事に開催することができたことに、改めて感謝いたします。

また、600年を超える歴史を持ち、激動の時代の中、宗祖・法然上人の教えを脈々と守り受け継いできた特別な『増上寺』という場所でこのイベントを開催させていただいたこと、大変ありがたく思っています。

これからも、「永く寄り添う自転車」「五感を研ぎ澄ます体験」を軸に、より多くの方にビゴーレの世界をお届けできるよう努めてまいります。

お越しくださった皆さま、運営を支えてくださった皆さま、そして後援いただきましたAlone Together合同会社さま、本当にありがとうございました。

 

今回見つけた課題や改善点はしっかりとブラッシュアップし、次のイベントへとつなげてまいります。

 

来年、またどこかでお会いできる日を楽しみにしています。