「ようやく私の自転車に出会えました!」
と彼女は、目を輝かせて 片岡に話しかけていました。

これまで彼女の相棒は、いわゆるママチャリ。ただ、彼女はそのママチャリを駆ってしまなみ海道を渡り、北海道を一ヶ月博多から大阪まで一週間かけて巡る本気の自転車旅をたのしむひと。台湾に行ったときも台北で自転車を買って高雄まで片道約350Km往復700kmほどを自転車で移動したそうです。(※ご本人からの訂正依頼ありました。「北海道と台湾往復はまだ」だそうです。でも、これからチャレンジしたいとの事でした。)
そんな彼女もいよいよその相棒にはこのような自転車旅は酷なことであることに気がつき、新たな相棒探しをして、インターネットを彷徨っていたそうです。
でも、本格的なロードバイクや気軽なクロスバイクは一杯でてくるけど、彼女が求める毎日乗れるけどしっかりしている「道具」としての自転車は なかなか見つかりません。
もう、クロスバイクあたりで妥協するしかないかと半ば諦めていた折に友だちから「こんな自転車もあるよ」と教えてもらったのがビゴーレでした。そしてサイトを見るとまさに自分の探していた自転車がそこにある!と、すぐに京都のお店までやってきたそうです。そしてお店にある山旅車を見た瞬間、「これください。」 でした。

そんな彼女の自転車が出来上がり、先日自転車を取りに来られました。
自分の自転車を見るやいなや、うれしさをこらえきれずすぐさま跨がって飛び出していきました。

 

 

 

あたらしい相棒の感触をじっくり確かめるためにぐんぐん走ってあっという間に見えなくなってしまいましたが、しばらくしてようやく彼女の姿を見つけることができました。遠くの方からでもそのわくわくが伝わってきます。

 



 

 

高揚した面持ちで息を切らせて帰ってきた彼女に、その想いを上手く拾い上げるべくすぐに片岡が講義を始めました。
というのも彼女はこれまでママチャリしか乗った事がなく、スポーツ車である山旅車を乗りこなしきれていない事に彼女のライディングをみて気付いていたのです。
早速、自分が自転車に跨がり、ペダルの踏み方についての指導がはじまりました。

 

 

 

「脚だけではなく全身を意識して‥」と、まさに全身を使っての説明。おやおや、だいぶ熱が入ってきたようです。

 

 

 

彼女の思いを受けて熱い指導はまだまだ続きます。
「歩く時も、足だけで歩いてないんですよ。足だけつかって使って歩こうとすると‥」

 

 

 

あらあら、遂には靴を脱ぎ始めました。
「ペダルを踏むときは、この母子球を意識して‥」

 

 

 

もう一度乗ってもらい、今度はブレーキの握り方。彼女にとっては片岡からの話はなにもかもが本格的かもしれませんが、片岡はこれまでの旅の仕方を聞いていて、しっかり安全にたのしく乗ってもらうために、きっちりと知っておいてもらいたかったそうです。経験者にだけでなく、初めての人にも、全力投球。その事が彼女にも伝わるのか、聞いている目も終始真剣です。

 

 

 

再度乗って帰ってきた彼女に最後のアドバイス。もう、ふたりの世界です。。

 

 

 

充実の一講義を終えて最後のたのしみ。お店の中に戻って自転車に付けるアクセサリー類を選びます。ライト一つとってもいろんな形がありますが、それぞれの長所短所の説明を聞いてじぶんにあったライト探し。最後の決め手は、「かわいい!」でいいんです。

 

 

 

彼女が店内で悩んでいる間に、主人が迎えに来てくれるのを待っている山旅車。こうやってみると、彼女の好みは意外ときりっとした感じですね。
彼女にとってこれまでの自転車と比べるととても高価な自転車ですが、それでも彼女にとってはほんとにいい出会いだったとのこと。これからずっとおばあちゃんになるまで乗り続けてほしいです。(オーナーの多くは、自分のこどもたちに自分が乗っていたビゴーレを譲って乗りつづづけてくれていますから、だいじょうぶ。)

 

 

 

いよいよ引渡し。お店から出てきた二人は彼女のあたらしい相棒をながめながら、何を思っているのでしょうか。
その顔は、きっとまだ口元が緩んだままのはずです。

 

 

 

そして、最後に。二人ともなんだか大満足のお顔。

 

 

こうして、彼女はお店を後にしました。
もちろん、家まで乗って帰ります。ちなみに、彼女は帰る先は、大阪。その道のり30kmをゆうに越えます。
さすがです。

 

終始、興奮気味の彼女。
「ほんとに出会えて良かった。」といってもらえる一台になって私たちも感無量です。
これから彼女の楽しく素敵な新たな旅出をしっかりサポートしてくれる事と思います。
またこのあたらしい相棒との旅について旅先から便りをくれるそうです。とてもたのしみです。

 

 

山旅車は大きい方のサイズの黒の在庫に続き、オーダーカラー用の在庫もだいぶ減ってきました。
あなたの一台。老いも若いも、男も女も。旅へ想いを馳せているあなたをこれまでにない旅へ誘う自転車、山旅車。
今です。