寒くなり、自転車のオフシーズンに入ってから、ビゴーレ京都本店へ点検に持ち込んでいただいたり、

セルフ点検に関する質問をよくいただくようになりました。

 

日々の点検は、安全に道具としての性能を発揮することはもちろん、永く乗るためにも大切なことです。

自転車納品時にお渡しする、「取扱説明書」にも記載のように、初期点検 ( ご購入後 2 ヶ月以内 )、定期点検(半年〜1年ごと)をお願いしています。

 

今回は、セルフ点検のポイント(クロモリレーサーと山と旅の自転車プラス)をいくつかご紹介します。ぜひご参考ください!

 

【タイヤについて】

車と同じく、適正な空気圧で乗車することが大切です。また、タイヤはゴムでできているため劣化も起こります。パンクなどのトラブルや事故を防止するためにも、日々空気圧とタイヤを点検し、必要に応じて交換しましょう。

 

空気圧 目安

・クロモリレーサー/70next 知足(700c×23-28c):6.0-8.0bar

・山と旅の自転車プラス(650b/700c):5.5〜6.5 bar

※乗り方やタイヤの種類により空気圧は異なります

※タイヤの空気は乗っても乗らなくても減っていきます。車種にもよりますがクロモリレーサーなどの細いタイヤで高気圧の場合は1-2週間で適正空気圧より数値は下がります。

 

 

【各ボルトの緩み】

ボルトは走行の仕方や力の加減により、緩みが発生する場合があります。

緩んだまま走行を続けると、予期せぬ負荷がかかり破損や事故につながりますので定期的な点検で“緩み”がないかを確認しましょう!

今回は、主要部分をご紹介します。

 

1)STI レバーの固定

ブラケットカバーを裏返すと、STIレバー固定用ボルトがありますので緩みがある場合は、5mmの六角レンチで固定ください(推奨締め付けトルク6-9Nm程度)。左右のSTIレバーに各1箇所ずつあります。

 

2)リアエンド部

リアディレーラーは5mmの六角レンチで確認します。(推奨締め付けトルク8-10Nm程度)

変速ワイヤーの固定も合わせて確認ください。4mmまたは5mmの六角レンチで確認可能です。(推奨締め付けトルク6-7Nm

 

※山と旅の自転車プラス grade egrade TS(オイル、ワイヤ)、GRXシリーズ フロントチェーンリングW仕様の方はフロントディレーラーも付属しますので、併せてご確認ください。(本体の推奨締め付けトルク5-7Nm程度、変速ワイヤーの固定の推奨6-7Nm)

 

[山と旅の自転車プラス限定]

リプレイス式ハンガー(黒色)の固定を確認してください。2.5mmの六角で確認できます。片側2ヶ所×左右あります。(推奨締め付けトルク2-3Nm程度)

 

★自主点検で見落とされていたことが多くあった部分です(店舗持ち込みの点検にて発見しました)。変速の不具合や予期せぬエンド部への負荷へ繋がりますので忘れずご確認ください。

 

変速ワイヤーの固定も合わせて確認ください。4mmまたは5mmの六角レンチで確認可能です。(推奨締め付けトルク6-7Nm

 

 

 

3)左クランクの固定

クランクは写真の箇所をご確認ください。緩みがある場合は5mmの六角レンチで固定ください。(推奨締め付けトルク12-14Nm程度) 

★2本のネジを交互に少しずつ締め付けを行ってください。

 

4)ペダルの固定

ペダルはクランクの背面に取り付けボルトがございます。6mmの六角レンチで確認ください。(推奨締め付けトルク35-55Nm程度)

※ペダルレンチをお持ちの方はペダルレンチをお使いください。

 

★左右で正ネジと逆ネジの違いがありますので、以下を確認ください。

・右側(チェーンリング側):正ネジ

ペダル側(外側)からみて時計回りで締まります。

・左側:逆ネジ

 ペダル側(外側)からみて、反時計回りで締まります。

 

5)補助ブレーキレバーの固定

「クロモリレーサー」もしくは「山と旅の自転車」でハンドルに補助ブレーキレバーを付属している方は、緩みがある場合は固定してください。(推奨締め付けトルク2-4Nm程度)

 

6)ステムの固定

ハンドル側、コラム側両方について、緩みがないかご確認ください。

ハンドル側は4点あるので、対角線ごとに少しずつ締めてください(例:左上→右下→右上→左下の順番)。コラム側は2点ボルトがあるので、交互に少しずつ締めてください。

(推奨締め付けトルク:ハンドル側2-4Nm程度、コラム側8Nm程度)

 

7)ブレーキキャリパーの固定 

前後のブレーキキャリパーについても緩みがある場合は固定してください。

 

・クロモリレーサー:推奨締め付けトルク8-10Nm

・山と旅の自転車プラス:推奨締め付けトルク6-8Nm程度

※山と旅の自転車プラス grade egrade TSのワイヤーディスク仕様の場合は、ブレーキワイヤーの固定も確認ください。(推奨締め付けトルク6-8Nm程度)

 

 

8)サドルの固定

サドルについては緩みがある場合は以下を参考に固定ください。

1点留めの場合:推奨締め付けトルク6-8Nm程度

2点留めの場合:12Nm(交互に少しずつ締めてください)

※上記はVIGOREオリジナルパーツの場合の数値です。別メーカーを利用されている場合はメーカー推奨数値をご確認ください(シートピラーに記載している場合が多いです)。

 

【消耗品について】

また、各パーツの対応年数は様々ですが、消耗品です。状況に応じて交換をしてください。

 

・タイヤ、チューブ、ブレーキシュー(ブレーキパッド)のゴム製品については、保管状態により速度はさまざまですが、乗らなくても劣化が進みます。劣化が進むと割れたり、硬くなったり、制動力やグリップ力が低下します。

 

・チェーンやスプロケットなど、金属製品も摩耗が発生します(走行距離や乗り方により消耗の仕方は異なります)。

 

 

今回、点検箇所について一部ご説明させていただきましたが、対応方法に不明点や不安のある方は、京都本店にお持ちいただければ、無償点検させていただいています。(修理やメンテが必要になった場合は、別途費用が発生し、場合によっては数日お預かりさせていただきます。)

また、京都以外でメンテナンスや修理をされたい場合はPARTNER SHIP店をご参考ください!(メンテナンス費用や修理費用については、各ショップにより異なります)

 

安全に、快適に、永く、相棒の一台とお付き合いくださいね。

 

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